12の宝石言葉





01 柘榴石 : 「美しくなければ意味もない」


そう言い切るお前を、お前にしてしまったものはなんなんだろう。かける言葉なんかなくて、添える腕なんてひどく無粋で、許されることは甘えで、認められることは諦めることに似てるとお前は言う。完璧といわれるお前がそう言うのなら、うんきっとね、それはお前がお前であるためのルールで、規範で依存で、たったひとつのよすがで、幾千億もの孤独なんだろうね。それならね、お前は振り返らなくていいよ、先に行け、道をひらけ、他ならないお前が出来るというのなら、お前はきっとやりとげると俺たちは知ってる、とてもよく知っている。でもいるよ、ずっといるよ、お前のすぐ横、呼吸が届くほどの近く、お前が嫌な顔したってね、俺たちは絶対にとなりにいるよ。だって俺たちは、きっとずっと絶対に、同じ栄光をゆめみて走ってる。

(四天3年生→白石)
 (完璧に固執する白石の、強さの裏の脆さってものを四天のほかのメンバーはみんな気付いてて、気付いているけどそのままにしている感じがします。それが白石が白石でいるための誇りに直結すると知っているから。みんな白石のことが大好きなんだよ!ということを言いたかった。はずだ)



02 紫水晶 : 「深窓育ちの無礼講」


知ってます?あのイラチでセッカチでアホまるだしの謙也さん、実はめったくそお育ちのいいボンボンやねんで。なんたって医者の息子やもん、見かけただの頭の弱いいきがったヤンキーやのに、ほんま人っちゅうんは見かけによらんもんやわあ。あのナリのくせにこの15年、酒の1杯もたしなんだことないとかほんっまありえへん。クソ真面目に「酒は20歳超えへんと逮捕やで!」とか言いよって、あんたが言うより俺が言うほうが、視覚的にはよっぽど全国津々浦々の皆々様に説得力があるっちゅーねん。そんなん言われたら、ちょっと騙して軽〜く飲ませたくなるのも、道理っちゅーもんやないですか。あ?ちょっとっすわ、ほんのちょっと。ジュースの中にちょお混ぜたっただけ。
……わかってます、俺が悪かった。悪かった、謝りますから、頼むから早いとこ起きたってくれんかなあ。膝がしびれてそろそろ立てへん、つーか男同士で膝枕とかマジきもい、救いようあらへんし。なあ起きて、はよ起きて、足がつらいし腰も痛いし、何より心臓がつらい。あんたに惚れぬいとる俺マジきもい、死んで人生はやいとこやりなおしたい。でももし今ここでほんとに俺が死ななきゃあかんのやとしたら、せめて1回くらいは言ったってもええかもしれんと思う。どうか、どうかまだ起きないで、死にたくなるほどあんたが好き。

(財前→謙也)
 (お題が難しすぎる!笑 謙也くんのジュースに悪戯心でお酒を混ぜたら謙也くん財前くんのお膝で寝ちゃったよ、わーどうしようっていうお話…。謙也は育ちがいい説を推します。)



03 藍玉 : 「好奇心は夢を落とすか」


あんたは気付いてないだけよ、自分の口に出した言葉のほんとの意味。子供なだけよ、無知なだけ、じゃなきゃ言えるわけないじゃない、「お前のためなら死ねる」だなんて。重たいわよユウくん、バカすぎるわよユウくん、重たすぎる愛情ってねえ、女の子には1番の敬遠のもとなのよ。覚えときなさい、そんなこと、アタシ以外の誰にも言ったりしちゃだめよ。アタシだからよかったのよ。ほんとにユウくんは駄目な子なんだから、好奇心はネコをも殺すって言うでしょう?そりゃあ夢も枯れるってものよ。一般に恋が一方的な思慕の情を指すのに対して愛は常に相手の立場を慮る心遣いだというのが通説でありまして、愛とは非常に多義的かつ複雑な概念であり、普遍的な定義というものはするだけ無粋な生物学上の永遠の命題であります。――だからねユウくん、あんたのそれは愛じゃない。あんたの相手はアタシじゃだめよ。そうね、あんたがいつか大人になって、アタシの言葉の100万分の1でも理解できるようになったなら、そのときは理由を教えてあげてもいい。あんたのそれは愛じゃなく、単なる恋であって、愛と呼ぶならそれすなわち、あの日アタシがあんたに捧げたものよ、と。

(小春→←ユウジ)
 (小春とユウジのことは深く考えたことがまだあまりないけれど、小春はこういうこと日夜考えちゃって動けなくなる、聡すぎて難儀な子の印象があります。ユウくんが自分にガン惚れしてる以上、それをよくも悪くも放置しては去らないであろう小春の独白。小春の愛は深い。)



04 金剛石 : 「だから情熱は苦手」


思わずってこと、あるやん?こう、頭にカーッと血がのぼってしもて、あー俺が俺から離れてしもた、って思っとるうちに、ノリと勢いと本能でガガッと!っていう。……あ?お前は本能で生きすぎとる?しゃあないやん、やって、かわいいって思ってしもたんやもん!!え?どこって、そら…、えー、ちゅーする前にちょっと視線がフラフラするところやろ、肩を掴むとぎくっとするところやろ、目を閉じるタイミングを掴みあぐねてるところ、焦らされると俺の足を踏むところ、触れるくちびるの少しだけ冷たいところ、触れた瞬間に震えるまぶた。……あーもう、いちいち挙げんのキリない。ぜんぶ、ぜんぶ好きや、めっちゃかわいい。あいつの全部が見たいし、全部が欲しい。そう思ったら、思ってもうたら最後ってとこ、あるやろ?好きってさ。せやから俺に情熱ってもんは禁断や、津波みたいに俺の全部を持ってって、なけなしの耐久力を一瞬でカラカラにしてしまうから。そんなわけで、先に謝っとくわ。そろそろ俺、本気でお前んこと頂きにあがらせてもらいまっせ、っちゅー話や。財前、かんにん!

(謙也×財前)
 (財前くんがかわいくてかわいくてかわいくて、マジで押し倒しちゃう5秒前!(MO5)な謙也くんの独白。情熱に引っ張られるともー逆らえない、逆らう気もない謙也くんは、男らしくて適度に勝手ですがすがしい。)



05 緑柱石 : 「僕に開いてよ」


言ってよその声で、その過ちを鋭く穿つまっすぐな目で、「お前なんかいらない」って言ってよ白石。お前なんていなくたって俺は平気だよ、ソツなくひとりでやってみせるよ、だからどこにだって行けばいいよ、お前はお前のことだけ大切にしていればいいよって言って。そうしてくれればいいんだよ、忘れてくれていい、何も残さなくっていい。残すなら憎しみか、恨みか虚無か諦めか、お前が完璧であるためにそぎ落としたそんなどうしようもないものたちに混ぜて、ふたをしといてくれさえすればいいんだ。だからお願い言って、どうか俺を行かせて、旅立たせてほしい。だって旅立つことが出来なくなるのはこわい、止まり木を見つけることはこわい。だって羽根を休める心地よさを知ることは、心臓の裏側を刃物のそばにあけわたすのと同じことだから。もうなくしたくない、とどまってはいられない、あんなにも痛い思いをするのは2度とごめんだって、俺はあの夏たしかに誓ったんだよ。だから言って、言ってよその声で、「お前なんかいらない」って、言ってよ白石。お前さえ俺を見捨ててくれれば、俺はいくらだって非情に、残酷に、軽やかに、心を捨てて扉の向こうに飛び立つことが出来るのに。

(千歳×白石)
 (白石に本気で惚れちゃって、離れられなくなることに怯える千歳の図。橘さんと別離したときの痛みが、今の千歳の漂流気質の元を作ったんじゃないかなあと思って書きました。誰かに深く入れ込んだりする前に旅立ってしまえば傷付かずにすむのに、白石を好きな気持ちが足取りを迷わせるので、そのとどめを肝心の白石本人に依存する駄目な子・千歳。)



06 真珠 : 「色好みか貴方好みか」
07 紅玉 : 「遊撃の二番手」
08 橄欖石 : 「ひねくれ者の純情」
09 青玉 : 「宿された兆し」
10 蛋白石 : 「閃光を縫い付けて」
11 黄玉 : 「清潔な歪み」
12 トルコ石 : 「愛か欲かそれとも性か」